令和8年度 共同研究ページ

目次

十勝管内教育研究所連絡協議会 共同研究主題

 自ら学び続ける子どもを育む研究(2/2年次) 

~問いを生かす単元デザインと、振り返りから次を見通す学びの実現~

研究の仮説と構造図

研究の仮説

 単元計画において、教師が身に付けさせたい資質・能力を踏まえながら問いを生かす単元デザインを構築し、加えて、子どもが振り返りと見通しを相互に関連付けた学びの主体的な調整を行うことによって、自ら学び続ける子どもを育むことができるだろう。

研究構造図

 研究構造図について

  円…「子ども」の姿。内発的動機に基づく主体的な調整を行うことで、自ら学びのサイクルを回す。
 土台…「教師」の姿。単元デザインにより子どもの学びをガイド・サポートする。

 教師の指導・支援を受けつつ子どもが学びを主体的に調整することで、「自ら学び続ける子ども」へ近付くことを目指す。

主題設定の理由

今日的な課題 学習指導要領の趣旨から

 学習指導要領では、子どもの学習意欲の向上を重視しており、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進めるに当たって、子どもが学ぶことに興味や関心をもち、見通しをもって粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげることが重要とされている。そして、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善の実現のためには、学習効果の最大化を図るカリキュラム・マネジメントを推進することが求められている。

 また、「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)」においては、ICT等を活用しつつカリキュラム・マネジメントを充実させ、発達の段階に応じて、全ての子どもたちの可能性を引き出す「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実していくことが重要とされている。そして、授業改善を行う上で、学習の進め方(学習計画、学習方法、自己評価等)を自ら調整する力を身に付けさせることが必要であると考えられている。さらに同答申において「児童生徒の学習意欲を向上する観点」では、「教科等を学ぶ本質的な意義や学習状況を児童生徒に伝えること」が重要としており、あわせて「幼児期~小学校段階にかけて好奇心や探究心が高まる学習をつなげること」の必要性についても明示している。

 カリキュラム・マネジメントとは

 「社会に開かれた教育課程」の理念の実現に向けて、学校教育に関わる様々な取組を、教育課程を中心に据えながら、組織的かつ計画的に実施し、教育活動の質の向上につなげていくこと。(文部科学省 カリキュラム・マネジメントより)

北海道・十勝の現状から

 北海道の子どもたちの実態として、令和7年度全国学力・学習状況調査の児童生徒質問紙調査(令和7年度全国学力・学習状況調査 北海道版結果報告書 – 教育庁学校教育局学力向上推進課)において、授業改善の項目である「授業では、課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組んでいましたか」の質問に対し、「当てはまる」と回答している割合は全国比で令和6年度より改善傾向にあるものの、他項目に比べると依然として低い状態となっている。また、「学習した内容について、分かった点や、よく分からなかった点を見直し、次の学習につなげることができていますか」の質問に対し、「当てはまる」と回答している割合は全国を下回り、昨年よりもポイントが低くなっている現状がみられる。このことから、子どもが自ら考え、学習を通して得られた成果や課題を次の学習へつなげるための授業づくりを構想する必要があるだろう。

 
 さらに、十勝管内の小・中・義務教育学校においては、令和7年度の校内研究の主題を「学びの自己調整」や「主体的に学ぶこと」とした学校が4割を超えている。多くの学校が、自ら学習を進める子どもを育む必要性を感じており、更なる研究の深まりが求められていることがうかがえる。

 「学びの自己(主体的な)調整」とは

 自分の思考や行動を客観的に把握し認識しながら学習を自己調整し、思考や行動を修正したり次の思考や行動につなげたりする力(教育課程企画特別部会 論点整理より)

 ※「学びの自己調整」と「学びの主体的な調整」については、厳密には異なる部分もあるが、本研究においては同一のものとみなし、以降は次期学習指導要領に準じて「学びの主体的な調整」とする。

 また、十勝教育研究所が管内小・中・義務教育学校を対象に実施したウェブアンケート(数字で見る十勝の教育🔑 – 十勝教育研究所)では、「子ども自身が見通しを立てる授業」や「子ども自身が振り返りを行う授業」についてこのような結果となっており、いずれも高い関心をもって日々の実践が行われていることがうかがえた。一方で、実際の指導場面で日常的に見通しを立てたり振り返りを行ったりすることの難しさについては前年度の研究においても課題として共有されており、意識と実態のギャップが存在している可能性もある。

研究1年次の成果と課題

 研究1年次では、自ら学び続ける子どもを育むことを目指し、単元デザインの工夫と学びの自己調整の工夫に焦点を当てて研究を推進した。中学校2年生社会科(地理的分野)の授業実践を行い、その検証によって「単元の始めにゴールを共有することで、子どもが学びやすさを感じ、学習意欲の向上につながった。」「多様な学習方法の自己選択・自己決定を促進することで、主体的に学ぶ姿につながった。」「見通し・行動・振り返りのサイクルを重ねることで、学習意欲や問題解決能力が向上した。」といった成果が得られた。一方で、「主体性を引き出す学習課題の提示方法」や「振り返りから見通しへのつながり」といった部分については課題が見られた。
 また、実践学級の事後アンケートからは、成果として「単元デザインを工夫することと自己の学びを調整しながら学習することのよさを子どもが実感することで、主体性や学習意欲の向上につながる」という結果が得られた一方で、課題としては「振り返りを次の学習や新たな目標につなげることや、自らの学びを見直して学習方法や学習計画を調整すること」の難しさが目立つ結果となった。

 研究1年次における「単元デザインの工夫」

 ○ 単元の始めに子どもとゴールを共有し、見通しを立てたり振り返りをしたりしやすくすること。
 ○ 学習方法や交流機会など、子どもの多様な学び方に対応した学習環境を整備すること。

 研究1年次における「学びの自己調整の工夫」

 ○ 子ども自らが見通しを立て、行動し、振り返る学びのサイクルを意識して行うこと。
 ○ ゴールに向かうための学習方法を子ども自らが選択・決定すること。

 研究1年次における共同研究員の振り返りアンケート結果(ChatGPTで要約したもの)

 研究1年次の共同研究では、単元全体を見通した学習デザインを基盤に、資質・能力の育成や自己調整学習の在り方を探ってきた。その結果、学習の目的やゴールが明確になることで、子どもが自分の学びの位置を捉えやすくなり、粘り強く課題に取り組む姿や、ICTを活用しながら思考を深める姿が多く見られた。また、パフォーマンス課題を軸にした単元構成により、学力差のある集団においても学習への参加意識が高まった。一方で、学習方法を自ら選択・調整する力や、振り返りを次の学習に十分に生かす点については、継続的な指導や時間の確保が課題として残った。今後は、自己調整の過程をより意図的に組み込んだ単元設計が求められる。

今年度の研究の方向性

 北海道・十勝の現状と研究1年次の成果と課題を踏まえ、研究2年次では、問い(疑問や問題意識、探究心)を生かした単元構造の設計と、振り返りと見通しが相互に関連付いた学習過程の構築という2つの柱から研究を進める。前者は内発的動機に基づく主体性の喚起を、後者は子どもが自身の学びを主体的に調整する力の育成を、それぞれ目的とする。
 また本研究においては、問いを単元の起点とするだけでなく、振り返りによって問いが再構成される循環構造を重視することで、単元を通した主体性の持続を図る。
 加えて、子ども自身による教材や学習方法(自己の学び・他者との対話や協働・ICTの活用)の自己選択・自己決定の場を設定するとともに、それを支える教師の指導性についても1年次から継続して研究する。

 以上のことから、研究2年次の方向性として

 問いを生かす単元デザインと、振り返りから次を見通す学びを実現することで、自ら学び続ける子どもを育むこと

 を目指し、本主題を設定した。

研究の視点

自ら学び続ける子どもを育む

 学習指導要領では「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善の視点を以下のように示している。

① 学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しをもって粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているかという視点。

② 子供同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ、自己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているかという視点。

③ 習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているかという視点。

小学校及び中学校学習指導要領解説 総則編(平成29年7月)より抜粋

 また、「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)」(以下、令和3年答申)では、自ら学び、主体的に考え、多様な立場の学習者と協働しながら課題を乗り越える資質・能力の育成が求められている。

 このような中で、子どもたちが生涯にわたり自ら学び続ける力を育むためには、授業の中で主体的に学ぶ場面を計画的に設定することが重要である。子ども自身が「見通しを立てる」「学びを振り返る」ことを通して自己の学びを深めることは、子どもたちが学びの必要感をもつきっかけにもなる。

 加えて、令和3年答申ではICTを活用し、自らの学び方を調整しながら主体的に学ぶ力の育成が求められている。1人1台端末の利便性を最大限活用することで、学びのサイクルが習慣化され、子ども自らが学び続けられるようになると考える。

 そこで、本研究では、北海道・十勝の子どもの現状を踏まえ、これからの予測困難な時代を生き抜く力を身に付けられるようにするため、目指す子どもの姿を「自ら学び続ける子ども」とし、以下のように定義することとした。

本研究における「自ら学び続ける子どもの姿」

 ○ 自ら学習計画を立てて学習に向かい、課題を解決しようとする姿

 ○ 各教科等の「見方・考え方」を働かせ、学習方法等を自己決定しながら学ぶ姿

 ○ 自ら学習を振り返り、次の学習や単元での行動を調整しようとする姿

 学びのサイクルとは

 OECDのラーニングコンパスに示された「見通し(Anticipation) – 行動(Action) – 振り返り(Reflection)」のAARサイクルを基に、子どもの学習過程を「今回の行動がどのような結果をもたらすか考えながら見通しを立てる – 見通しに沿って学びに向かっているか、自分の行動に責任を自覚しながら行動する – 見通しに沿って行動できていたか振り返るとともに、次の見通しのために今回の行動を振り返る」として具体化したもの。(1年次研究より)

問いを生かす単元デザイン

 単元デザインの工夫について、本研究の1年次では以下のような成果と課題が得られた。

 単元の始めにパフォーマンス課題やルーブリックなどのゴールを共有することで、内発的動機付けが促進され学びに対する姿勢が能動的なものへと変容し、学習意欲が向上した。
 また、ICT活用の場や課題に対する複数の選択肢を用意することで多様な学習方法の自己選択・自己決定が促進された。

 子どものもつ多様な興味・関心や初発の思考や行動を起こす力・好奇心を最大限に引き出すために、単元課題や提示する学習課題の提示方法や幅について、さらに工夫が必要。


 以上をふまえ、研究2年次は学習意欲や行動を起こす力・好奇心に直結する内発的動機としての「問い」に着目したい。

 文部科学省教育課程企画特別部会では、質の高い探究的な学びの実現に向けた論点整理(令和7年9月)において、「問い」や「課題」の設定の質をはじめとする探究プロセスの改善や、各教科等において育む資質・能力の育成に向けた問題発見・解決の重視などを通して、広範な事象を多角的に捉えることが重要であるとしている。また令和3年答申においても、「多様な子ども一人一人が自立した学習者として学び続ける教育」が重要視されており、学習者自身の好奇心や興味・関心等の内発的動機付けに基づく主体的な学びが求められている。
 これらのことから本研究では、思考のギャップやズレを出発点とした対話や議論の発生を促し、深い読みや批判的思考に基づく中核的な概念の理解を実現するための問いを学習者自らが作り出すことによって、初発の思考や行動を起こす力・好奇心を喚起する単元デザインを目指すこととする。
 なお、「問い」は抽象的な概念であるため、授業デザインに落とし込むに当たってはその実態が明確になるよう具体化する必要がある。探究や振り返りを重視する国際バカロレア(IB)プログラムにおいて理論の中核として組み込まれる「概念型学習」を提唱したエリクソンは、「問い」を「知識に関する問い・概念理解を深める問い・議論を促す問い」の3つに分類し、物事の本質に迫る過程を重視している。
 本研究では、上記のエリクソンの分類を参考に「問い」を以下の通り定義することとする。

本研究における「問い」

 ○ 疑問(これはなんだろう、どんなつくり・成り立ちだろう)

 ○ 問題意識(どうしてこうなっているのだろう、なぜこうしたのだろう)

 ○ 探究心(他のものはどうだろう、他の人はどう考えたのだろう) 

 パフォーマンス課題とは

 様々な知識やスキルを総合して使いこなす(活用する)ことを求めるような、複雑な課題。具体的には、論説文やレポート、展示物といった完成作品(プロダクト)や、スピーチやプレゼンテーション、実験の実施といった実演(狭義のパフォーマンス)を評価する課題。(パフォーマンス評価とは何かより)

 ルーブリックとは

 成功の度合いを示す数レベル程度の尺度と、それぞれのレベルに対応するパフォーマンスの特徴を示した記述語(評価規準)からなる評価基準表。(総則・評価特別部会 学習評価に関する資料より)

振り返りから次を見通す学び

 小学校学習指導要領解説総則編及び中学校学習指導要領総則編では、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善について「見通しをもって粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる」としている。このことについて、研究1年次では以下の成果と課題が得られた。

 学びのサイクル(見通し・行動・振り返り)の継続的な取組により子ども自身のメタ認知能力が強化され、結果的に学習意欲が向上した。

 振り返りを受けて目標の修正や計画全体の調整を主体的に行う具体的な手段や方法が身に付いてない。

 上記の成果と課題から、2年次の研究では前時の学習で「分かったことと分からなかったこと、できたこととできなかったこと、うまくいったこととうまくいかなかったこと」を明確にした振り返りを行い、それを踏まえて次時の「見通し」や「計画」を修正しようとするプロセスに注目する。 

本研究における「振り返りから次を見通す学び」

 ○ 見通しを基準とした学びの過程や変容の振り返り

 ○ 振り返りを受けた見通し・学習計画の設定と修正

 ○ 他者との対話や協働、ICT活用等の学習方法や学習形態の自己選択・自己決定 

 なお、上記のプロセスの検証に当たっては、単元という一定のまとまりの中でどのような資質・能力(中核的な概念の理解など)を身に付けさせるかという単元デザインの視点が重要であると論点整理に示されていることから、本研究においても単元全体のサイクルで上記内容の実現を目指すこととする。

研究の内容

問いを生かす単元デザインの実現に向けて

⑴ 内発的動機付けに基づく学習者主体の学び

 OECDが示す「態度や諸価値・非認知的能力等の各国における位置づけにおいて、よりよい未来の創造に向けた変革を起こすコンピテンシーとして「新たな価値を創造する」「対立やジレンマに対処する」といった要素が示されている。また同資料内においてはコンピテンシー育成のための中核的な基盤として「批判的思考」「問題解決」についてもその重要性が示されており、これらのことから自らの価値観を見つめなおして問いを立てるには着眼力、洞察力、創造力、構想力、

批判的思考力等の力が必要であるといえる。以上をふまえて、本研究では学習者自身が内発的動機付けに基づく問いをどのように立てるのかについて、右の通り整理する。


 なお、QFT(Question Formulation Technique=質問作成技法)は、アメリカで正問研究所(Right Question Institute)を設立したダン・ロススタイン氏らが提唱する問いづくりの方法であり、上記の問いの立て方はこれらを参考にしている。
 QFTワークショップでは問いが子どもの内側から生まれるように、教師が意図的にオープンエンドの発問を行うことや、友達とのズレ・既習内容とのギャップを感じさせること、また「知りたい」「解き明かしたい」と思わせるような導入と教材の出合い方を工夫すること等、多くの部分で子どもの理解や教材研究に基づく単元デザインが必要になる。こうした単元デザインを構築することによって、子どもの気付きや違和感を生み出すことが期待できるだろう。
 加えて、本研究では、学習の進行に伴って問いが変化・生成されることを前提とした動的な単元設計を構築することも含めて、「問いを生かす単元デザイン」と定義する。

 コンピテンシーとは

 カリキュラム全体を通して学習するために必要となる基礎的な知識、スキル、態度及び価値。(論点資料補足資料より)

⑵ 教師の指導性のスケール化

 子どもの内発的な問いを出発点として単元をデザインするに当たり、教師が身に付けさせたい資質・能力を明確にし、どのような指導性をどの段階で発揮するか明確にすることが重要である。この部分については、研究1年次に引き続き富山市立芝園小学校の実践例を参考に以下の3つの指標についてスケールで表すことで、単元全体における教師の指導性を明確にする。

 「学習課題」

…自分自身が興味・関心をもったことなど、自分で課題を決めていくこと。

「学習過程」

…情報を収集し、整理・分析し、まとめ、それを発信していくこと。

「学習形態」

…一人で学ぶのか、それとも誰かと一緒に学ぶのか自己決定すること。

振り返りから次を見通す学びの実現に向けて

⑴ 学びのサイクル

 いわゆるAARサイクル(見通し→行動→振り返り→見通し…)において、特に振り返りから見通しへの接続は学びの深まりや広がりを目指す上で欠かせない部分であり、単元のゴールを見据えた取組が求められる。その達成のためには、振り返りの基準となる見通しと、見通しを調整する材料としての振り返りを一体的に充実させることが重要だろう。研究2年次となる今回は、特に後者の振り返りに主眼を置いて進める。
 見通しにつながる振り返りを実現するためには、単に学習内容を回想するだけでなく、「自分の学びを客観的に捉え、次の行動を修正・改善するプロセス(学びの主体的な調整)」として位置付けることが重要である。

 文部科学省の資料『みるみる』(「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」のためのサポートマガジン)では、単元の初めに目標・学習の流れ・評価規準をまとめた「単元計画表」(図)を共有することにより、子どもが振り返りの際にゴールから逆算して「次に何をすべきか」という具体的な見通しを立てやすくなるとしている。

 同資料内ではルーブリック(段階的な評価規準)の活用についても触れられており、ルーブリックを子どもに提示することにより振り返りが自動的に次の改善策(見通し)へと変換されるとしている。  
 この手法は研究1年次においてもその有効性が検証されており、学習の全体像をイメージする手がかりとして効果的であると結論付けられている。

 以上のことから、研究2年次では「単元計画表」「ルーブリック」の2点を子どもと共有することにより、単元のゴールを意識して「学びのサイクル」を確実に回す子どもの育成を目指す。

⑵ 自己選択・自己決定

 AARサイクルにおける見通し(Anticipation)と振り返り(Reflection)については上記の通り育成を目指すが、行動(Action)ではどのような工夫が考えられ、具体的にどのような場面で「学びのサイクル」が回るのか。研究2年次では、主に「自己選択」「自己決定」に焦点を当てたい。

 島根県教育センター・浜田教育センターでは、学び方の自己選択・自己決定を設定する場面について大きく6つに分類している。

○目標の設定(同じ目標に向かって異なる学習方法や教材で、または異なる目標に向かって)
○学習の形態(一人で、ペア・グループ等の友達と、先生と、地域・保護者・異学年と)
○場所・道具(教室・教室外・家庭のどこで、鉛筆・タブレットのどの道具で)
○情報の収集(教科書から、図書資料から、インターネットから、人から)
○まとめ・伝達(作文・新聞・プレゼンなどどんな形式で、紙・ICT・発表などどんな媒体で)
○学びの評価(誰と振り返るか、何を振り返るか、何で振り返るか)

 これらを教師が意図的に活動の中で位置付け、選択肢を用意することで自己選択を促し、その決定について振り返る活動(=学び方の振り返り)を通して次への見通しをもつことができると考える。また、選択の結果を振り返る活動においては、判断の理由を根拠とともに説明することにより、次時へのつながりや他教科への転移を目指す。

グループ研究2年次グループ
学年・教科小学校第○学年・○○科
推進幹事○○ ○○(○○町立○○小学校)
推進副幹事○○ ○○(○○町立○○小学校)
授業者○○ ○○(○○町立○○小学校)
共同研究員○○ ○○(○○町立○○小学校)
○○ ○○(○○町立○○小学校)
○○ ○○(○○町立○○小学校)
○○ ○○(○○町立○○小学校)
○○ ○○(○○町立○○小学校)
○○ ○○(○○町立○○小学校)
○○ ○○(○○町立○○小学校)
○○ ○○(○○町立○○小学校)
○○ ○○(○○町立○○小学校)
○○ ○○(○○町立○○小学校)
○○ ○○(○○町立○○小学校)
○○ ○○(○○町立○○小学校)
○○ ○○(○○町立○○小学校)
○○ ○○(○○町立○○小学校)
○○ ○○(○○町立○○小学校)
○○ ○○(○○町立○○小学校)
担当所員佐藤 悠樹   中村 俊太   ○○ ○○

授業実践は随時掲載予定です。

単元計画

引用・参考文献

○ 小学校学習指導要領(平成29年3月) 

○ 小学校学習指導要領解説 総則編(平成29年6月)
○ 中学校学習指導要領(平成29年3月)

○ 中学校学習指導要領解説 総則編(平成29年6月) 

○ 文部科学省 カリキュラム・マネジメント
  (https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/
○ 文部科学省教育課程企画特別部会 論点整理(令和7年9月)
  (https://www.mext.go.jp/content/20260129-mxt_kyoiku01-000045057_01.pdf

○ 文部科学省教育課程企画特別部会 論点資料 質の高い探究的な学びの実現(令和7年5月)
  (https://www.mext.go.jp/content/000360892.pdf

○ 文部科学省教育課程企画特別部会  論点資料補足資料(令和7年4月)
  (https://www.mext.go.jp/content/20250425-mext_kyoiku01-000042196_05.pdf
○ 文部科学省中央教育審議会「令和の日本型学校教育」の構築を目指して(令和3年1月)
  ~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(答申)
  (https://www.mext.go.jp/content/20210126-mxt_syoto02-000012321_2-4.pdf

○ 文部科学省 IB教育推進コンソーシアム
  (https://ibconsortium.mext.go.jp/
○ 文部科学省 R5アドバイザー事業オンライン学習会【第8回】
  (https://www.youtube.com/watch?v=dW5ILJAOgOw
○ 文部科学省 「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」のためのサポートマガジン『みるみる』
  (mext.go.jp/content/000356850.pdf

○ 文部科学省 育成すべき資質・能力を踏まえた教育目標・内容と評価の在り方に関する検討会

  (https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/095/
○ 文部科学省 総則・評価特別部会
  (https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/061/
○ 北海道教育委員会 令和7年度全国学力・学習状況調査 北海道版結果報告書(令和7年11月)

  (https://www.curricen2.hokkaido-c.ed.jp/dokyoi/houkoku/r7/R7hokkaido_kekkahoukokusyo_all.pdf
○ 島根県教育研究センター浜田教育センター
  「個別最適な学びと協働的な学びを⼀体的に充実していくための10のヒント」(令和4年)

  (https://www.shimane-ec.pref.shimane.lg.jp/2023/09/27/069cc127545102d9fad7cefeea0829f0_2.pdf
○ Right Question Institute (https://rightquestion.org/
○ OECD (https://www.oecd.org/en/data/tools/oecd-learning-compass-2030.html

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